ジョウゼフ・コンラッドの比較文学的世界
研究書
| 書籍名 | ジョウゼフ・コンラッドの比較文学的世界 |
|---|---|
| 価格 | 5,800円(税別) |
| 著者名 | 松村敏彦 著 |
| サイズ | A5判 |
| ページ数 | 512ページ |
| ISBN | 978-4-271-21047-4 |
『オリエンタリズム』を著したエドワード・サイードが高く評価する作家コンラッドは、今日のポストコロニアルの問題を時代に先駆けて注目し、その総括をヨーロッパの文明化された精神の裏面或いは暗黒面として『闇の奥』を初めとするポストコロニアルの文学作品に表現していた。と同時に、西洋世界の基本的な視点の転換を図るコンラッドの思想は、今日の地球温暖化の黙示録的不安に警鐘を鳴らす先見的なものである。現代の地球的規模の環境問題についても彼の思想は有効な哲学的基礎を提供している。彼の思想は宮崎アニメの作品や『闇の奥』を下敷きとするコッポラの『地獄の黙示録』更にサン=テグジュペリや村上春樹の作品にも大きな影響を及ぼしている。

